「フリーランスになりたい!」と考えている人はいませんか?フリーランスは、個人で契約をして仕事をする人、もしくはその働き方自体を意味します。企業や団体に所属せず、自分の能力で収入を得る働き方です。自由に仕事ができる反面、責任はすべて自分にのしかかります。収入が安定しないため、扶養家族が居る人が安易に始めることはできません。始める場合は、隙のない事前準備をしてから望む必要があります。フリーランスを目指している人には基本知識が必要です。
そこで今回は「フリーランスになるには?絶対に知っておきたい10つの基本知識」を解説します。フリーランスで成功をするためにも、最低限の基本知識を得ておくようにしましょう。
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目次
フリーランスになるには?
フリーランスには「これ」と言った定義がありません。ただ一般的には、次の状態になれば「フリーランス」になれたと言えます。
- 企業や団体に属していない
- 消費者向けの店舗などを構えていない
- 従業員などを雇用していない
- 自分の能力を提供することで収入を得ている
フリーランスが最近の言葉なのでパソコンを利用した仕事をイメージされますが、「大工」や「植木職人」なども、上記の内容を満たしていればフリーランスです。届け出(税務署へ開業届を提出しなくても罰則はありません)や、資格の取得などは必要ありません。現在サラリーマンで収入を得ている人ならば、仕事を辞め自分の能力を必要とする企業や人と契約を結ぶことにより、事業の存続ができればフリーランスです。
しかし、いきなりサラリーマンを辞めるのには抵抗があります。必要なのは収入が得らえるだけの技術や能力、そして人とのつながりです。
副業が本業の収入を定期的に超える算段が付いてから、フリーランスになるのが一般的です。
また、基本的な知識を得ておかなければ必ず失敗をします。中途半端に始めた人の多くが、「今まで企業に守られていた」ことを実感するようです。
- 失敗をしたとき、上司や他の社員が助けてくれた
- 失敗による損失を企業がすべて負担してくれた
- 決まった給料が約束されていた
- 福利厚生により健康保険料の半額負担をしてくれた
フリーランスになる場合は、すべてを放棄しなければいけません。
フリーランスになるのは簡単ですが、継続をさせるのが難しい働き方です。自分を過大評価せず、十分な準備を行った人が成功をします。フリーランスを成功させるためにも「絶対に知っておきたい10つの基本知識」を確認しておきましょう。
絶対に知っておきたい10つの基本知識
絶対に知っておきたい10つの基本知識は次のとおりです。
- 労働基準法が適用されない
- フリーランスの働き方
- 仕事の内容は自分で決められる
- まずは副業で自分の適性を見極める
- フリーランスの主な職種
- 必要なスキルの習得
- 会社を辞める前にやるべきこと
- フリーランスになったらやるべきこと
- 人脈づくりは必須
- 自由な状況に注意
詳しく解説をしていきます。
基本知識①労働基準法が適用されない
労働基準法とは、労働者の最低基準を定めた法律のことです。労働者とは、事業もしくは事務所に所属し使われることで、賃金や給料を得る人を指します。フリーランスは賃金や給料の支払を受けないことから、労働基準法上の労働者に該当しません。労働基準法の目的は、「労働者が人に値する生活を営むために必要を満たす」法律です。最低限の基準を設けることで私生活が充実します。
つまり、労働者は法律によって守られているのです。しかし、フリーランスを特定して守る法律はありません。自分自身でトラブルを未然に防ぎ、守る必要がでてきます。年次有給休暇はありません。36協定も存在しないのがフリーランスです。その変わり、使用者の監視下にある窮屈な拘束時間も存在しません。すべては自分の裁量で行います。失敗をしてもすべて自分の責任です。
大手に在籍していた人は、労働基準法がなくなることに違和感を覚えるかもしれません。フリーランスで自由を手に入れる変わりに、固定給など最低限の保障がなくなることを認識しておきましょう。
基本知識②フリーランスの働き方
労働者の場合は「労働条件通知書」の説明を受けた上で「雇用契約書」により契約を結びます。フリーランスの場合は、「業務委託契約書」により契約を結ぶのが一般的です。独立した案件ごとに契約を結びます。主に次の契約を結ぶのが一般的です。
さらに詳しく
- 請負契約:成果物を収めることで報酬が発生
- 準委任契約:業務を行ったことで報酬が発生
詳細は契約内容により異なりますが、2つのどちらかで契約を結び報酬を受け取ります。報酬が得られる条件の確認は必須です。契約時にプロセスの指定がなければ、どのよう方法で業務を行っても問題はありません。
労働者とは違い、フリーランスとクライアントは常に対等の関係が保たれます。双方が合意した契約が必要です。一方的な内容ならば受けないといった選択肢もありますが、最初はできるだけ受けるようにしましょう。選ばれるフリーランスになることが大切です。単品の仕事だけでは、収入がなかなか安定しません。最初は無理難題でない限りは、できるだけ業務委託契約を結び、徐々に内容を精査する働き方がおすすめです。
基本知識③仕事の内容は自分で決められる
労働者にはないメリットが、「仕事の内容は自分で決められる」ことです。労働者は、労働契約の内容や就業規則に規定された条項によって、管理者より指示命令を受けます。適切な指示命令に背けば、度合いに応じ処分を受けるかもしれません。「この仕事は嫌だ」といった個人的なわがままが通用しないことが多々あります。
フリーランスは、指示命令をする人がいません。請け負いたくない業務は、契約をしなければ良いだけです。仕事内容は自分で選べます。案件を無理強いする人もいません。
基本知識④まずは副業で自分の適性を見極める
フリーランスを目指すのならば、副業で自分の適性を見極めることが大切です。逆に、副業を始めたことでフリーランスを意識する人もいます。どちらにせよ、フリーランスを始める場合は、本業をこなしつつ副業を始めるのが一般的です。
フリーランスは、未経験で始められるほど、甘いものではありません。「憧れ」や「興味」、「やりたいという意思」だけで成功するものでもないのです。
フリーランスには、向き不向きがあります。例えば、自分を過大評価するような甘い人には向いていません。まずは副業で始め、一定基準の収入を持続して受けられるかを確認しましょう。
基本知識⑤フリーランスの主な職種
フリーランス向きの主な職種は次のとおりです。
- デザイナー
- エンジニア系
- 翻訳家
- 著述家(ライター)
- 土木関係
- 記者や編集者
- 講師
- 経営コンサルタント
- カメラマン
- YouTuber
- 美容師
本業での仕事関連で、職種を選ぶ人が多くいます。「フリーランスになりたい!」という志により職種を選ぶ人は、IT機器を利用した職種を選ぶのが一般的です。例えば、デザイナーではなくWEBデザイナーを目指します。
大切なのは、自分が続けられる職種を探すこと、嫌々続けても長続きはしません。未経験の職種を急に始めても、途中で断念するのが関の山です。
サラリーマンをしている人は、現在の手取り以上を収入として得られる職種でなければいけません。副業で試しながら自分に適した職種を見つけましょう。
基本知識⑥必要なスキルの習得
フリーランスを続けるためには、スキルの習得が必要です。スキルがない人は、事前に習得をしておきましょう。フリーランスを始めたとしても、よほどの才能がない限り続けることはできません。最低でも、次のスキルを習得しておきましょう。
ココがポイント
- 選んだ職種で必要なスキル
- 営業スキル(ビジネススキル)
- コミュニケーションスキル
- 情報収集力
選らんだ職種に関するスキルは必要です。資格として目に見えると仕事も得やすくなります。また、自分を売り込むための営業スキルも必要です。最低限のビジネスマナーも習得しておきましょう、フリーランスは、すべてを自分でこなさなければいけません。
コミュニケーションスキルにより、円滑な人間関係を構築します。仕事先は対等な立場ですが、相手を選ぶことができるのは同じです。選ばれるだけの人になるためには、コミュニケーションスキルが必要になります。また成功をするためには、常に新しい情報が必要です。高いアンテナをたて、最新の情報に対しすぐに対応できる人が選ばれます。
自分を客観的に見ましょう。ひいき目なしに見て、自分と仕事をしたいと思いますか?「無理だ」と思われた人は、スキルの習得をしてからフリーランスを始めるべきです。
基本知識⑦会社を辞める前にやるべきこと
サラリーマンでなければ審査が通らないものを、事前に取得しておきましょう。フリーランスは労働者よりも、収入が安定していないと見られます。次の審査が通りづらくなるのが一般的です。
- クレジットカードの審査
- 賃貸契約の審査
- 車や家などのローン審査
- 携帯電話の分割購入
フリーランスを始める場合は、クレジットカードを所有しておくべきです。最近はキャッシュレス化が進み、クレジットカードでなければ契約金の支払いができないものも増えてきました。会社を辞める前に、クレジットカードを作っておくのが得策です。また賃貸を借りる場合、信販系の保証会社を利用した賃貸契約が増えてきました。在籍確認のため、社会保険証の提出を求めるケースが多いです。社宅や寮に住んでいる人は、早めに転居先を決めておきましょう。「住めればどこでもいい」と思われるならば転居先は見つかります。しかし新築や築浅になると、在籍確認ができない場合は確定申告の提出が必要です。当然ですがフリーランスになりたての人は、確定申告の写しを提出できません。会社を辞める前に、住む場所を確保しておきましょう。
状況によっては、携帯電話の機種交換で審査落ちをする可能性もあります。一括購入をすれば機種変はできますが、相当な出費になるので注意をしてください。確定申告前のフリーランスは、審査の壁にぶつかる場面が多々あります。事前準備をしっかりとこなしておきましょう。
基本知識⑧フリーランスになったらやるべきこと
労働者を辞めフリーランスになった人は、すぐに次の処理をしておきましょう。
ココがポイント
- 国民年金への切り替え:退職後14日以内に役場で行う
- 国民健康保険への切り替え:退職後14日以内に役場で行う
- 通帳の準備
- 名刺の作成
- メールアドレスの作成:Googleなどのフリーアドレスは避ける
- 開業届の提出:事業開始から1カ月以内に税務署で行う
- 青色申告承認申請:2カ月以内に税務署で行う
健康保険に関しては、退職前に継続加入の有無を問われます。保険料は2分の1ではなく全額の支払いですが、国民健康保険よりも安くなる場合があるので調べておきましょう。退職後2年間しか利用できませんので、面倒と思われる人は国民健康保険への加入がおすすめです。
開業届の提出は、絶対条件ではありません。しかし開業届を提出すると、節税効果の高い「青色申告」や、屋号による口座開設が可能になります。クライアントへの信頼性も増すので、できれば申請をしておきましょう。
申請後、面倒と感じた場合は「白色申告」で行うこともできます。フリーランスを続ける上で有利になることは、ひととおりしておきましょう。続けるためには必要なことばかりです。
基本知識⑨人脈づくりは必須
フリーランスには人脈づくりが必須です。フリーランスを開始したあと、「会社員のときは向こうから人が寄ってきたが今は誰もこない」と話す人がいます。冷たいようですが、あなたではなく「勤め先の企業ブランド」に人が集まったのかもしれません。後ろ盾のないフリーランスは、自分が積極的に動くことで人脈を作ります。
ココがポイント
- 勉強会やセミナーへの積極的な参加
- SNSの活用
- 同業者との共同作業を請けたときは情報交換をする
勉強会やセミナーで知り合った人から、仕事が得られるかもしれません。チャンスを広げるためにも、「意味がない」という考え方を捨てましょう。巡り巡って仕事が舞い込んでくることもあります。
SNSの利用は注意が必要ですが、人脈づくりには欠かせません。同業者と会えるときは、積極的に情報交換をしましょう。名刺にアドレスや、仕事用の携帯番号を記載しておくと効果的です。
フリーランスは与えられる仕事ではなく、自分で仕事を取らなければいけません。長く続けるためにも、横のつながりを強化しておきましょう。
基本知識⑩自由な状況に注意
フリーランスは労働者よりも自由な仕事です。拘束時間がありません。営業のように、上司に決められたノルマもないのがフリーランスです。しかし、自由な状況が落とし穴になる場合もあります。
「働き過ぎる」
とにかく収入を得ようと頑張る人がいます。明らかなオーバーワークにより体調を壊しては本末転倒です。フリーランスは変わりの人材がいません。働けなくなれば収入がストップします。働き過ぎは良くありません。
「働かない」
逆に働かない人もいます。「明日やろう」が多い人は特に注意が必要です。スマホでゲームを始める人、ネットサーフィンが好きな人など、集中力のない人はすぐに別のことを始めます。管理されないのが原因です。
どちらにせよ、「管理表」を作成して自分に無理のないノルマを課すようにしましょう。自分を管理するのは自分だけです。自由な状況に魅了されないよう注意をしましょう。
まとめ
「フリーランスになるには?絶対に知っておきたい10つの基本知識」を解説しました。フリーランスは、誰でも始められますが続けるのが大変です。基本知識により事前準備を行うことで、だいぶ失敗を防げます。
「フリーランスになるには?絶対に知っておきたい10つの基本知識」を見たことで「フリーランスは面倒」と感じた人は、始めるべきではありません。「やる気がでてきた!」や「ワクワクしてきた!」と思えた人が行動を起こしましょう。ただし、基本知識をおろそかにせず始めることを忘れないでください。